エイミィは杖を構え、最初の部屋の番人であるグリーンスライムと対峙していた。
あの後、元の部屋に戻されてからしばらくして、またここに転移させられてきたのだ。
今までこの杖を使い、目の前のスライムを倒してくれていたヴェリアはもう隣にはいない。
今はこの杖だけが、エイミィに残された唯一の武器だった。
極度の緊張のせいで、握り締めた手の平には汗が滲んでいる。
杖に込められた聖気がスライムの組織を蒸発させるだけの力を持っていることは、ヴェリアが見せてくれていた。
最終的に核を潰せば勝利だと言うこともわかっている。
それでも、今のエイミィには全くと言っていいほど勝てる気がしなかった。
エイミィも一応は旅に出る前に杖術の訓練を受けてはいたが、幾度か経験した魔物との戦闘におけるメインの攻撃手段は常に神の奇跡であり、杖による攻撃はあくまでも補助的なものでしかなかったのだ。
基本的にスライム本体の動きは遅い。
だが、目の前のスライムはあまりにも大きすぎるため、体表から核までの距離を考えるといきなりそこを狙うことはできない。
ヴェリアの戦いを見ていた経験から、核がある程度表面に近づくまでに必要な攻撃回数も見当がついているが、それまで相手の攻撃をかわし続けるだけの自信は今のエイミィにはなかった。
スライムに相手を識別するだけの知能があるかはわからないが、まるで初めての相手を警戒するように、スライムはゆっくりと身体の一部を伸ばしてくる。
せめて背後から回り込まれることだけは避けようと壁際まで下がったエイミィは、汗で滑りそうになる手に一層の力を込めた。
固唾を飲みながら、スライムの触手の先端に意識を集中させる。
そこが小さく震えたように見えた直後、それまでの動きが嘘のようなスピードで、スライムの身体がエイミィに向かって一気に襲いかかってきた。
「ひぁっ……!」
反射的に屈み込んで、エイミィはその攻撃を回避した。
ヴェリアのように洗練された動きとは言い難い、とにかく脅威から逃げることだけを考えた回避行動。
そもそも避けているだけでは始まらない、杖で撃ち落さなければいけないと頭ではわかっていても、なかなか上手くはいかなかった。
粘着質な音を立てて壁を打ったスライムの身体が引き戻されていく。
それを追いかけるように、半ば無意識の内にエイミィは杖を振った。
先端がスライムを掠め、エイミィの握り拳1つ分ほどスライムの組織が蒸発する。
だがそのことを悠長に実感する暇もなく、すぐさま怒ったようにその身体を震わせたスライムから2撃目が放たれた。
それをまた回避し、戻り際を狙う。
(直接は無理でもこうやっていけば……)
わずかに見えた光明。
だが、その案はすぐに実現不可能だと思い知らされた。
果敢に攻めていったヴェリアの時と違い、防戦一方になったエイミィに対してスライムはその場に留まるようなことはしなかったからだ。
時折身体の一部を伸ばしながら、本体もじりじりとにじり寄ってくる。
徐々に徐々に触手が射出されてからエイミィに届くまでの時間が短くなっていき、当然それにつれて回避が困難になってきた。
回避の際の余裕が失われるにつれて、それと反比例するように絶望的な未来がより一層鮮明に脳裏に描き出されていく。
そして、前の攻撃をまさに紙一重でかわし、けれど戻り際を狙うどころか次に備えて体勢を整える暇もない内に新たな触手が繰り出される時がやってきた。
「くっ……」
目の前に迫るスライムの触手。
闇雲に振った杖が幸運にもそれに直撃し、一瞬でその先端が蒸発する。
だが、戻っていくところではなく、初めて向かってくる時に撃ち落せたことを喜んでいる時間はなかった。
その後ろからすぐに次の触手が向かってきている。
ただでさえ元々体勢が崩れていたところだ。
振り抜いた杖に引っ張られるようにして、地面に身体を投げ出すのがやっとだった。
それでその一撃は回避できたが、肘を強く打ち付けた痛みに思わず杖を手放してしまう。
急いで立ち上がらないと、そう思ったのと右の足首に冷たい感触が生まれたのはほぼ同時だった。
はっとして足元に目をやると、その視線の先にあるのは紛れもなく半透明なゼリーに覆われた自分の足。
足先に感じるひやりとした感触と、捕まってしまったという絶望感で、一気にエイミィの顔から血の気が引いていった。
自分の足とスライムの本体の間に架けられた薄緑の橋。
すぐに杖を拾い上げてそれを払っていれば、最終的には避けられない破滅を先送りするだけだったとしても、まだ今回は助かったかもしれない。
けれど、今のエイミィにはそれすらできなかった。
諦めたわけではない。
ただ、脳が凍りついたように動きを止め、何も行動に移せなかっただけだ。
足を強く引かれ、うつ伏せの状態で本体に向けて引き摺られていく。
石造りの床で身体の前面を擦られる痛みに我に返ったときには、何もかもが手後れだった。
杖はもう手が届かない場所にある。
何とか動きを止めようと床に爪を立てても、その程度では全くスピードは落ちなかった。

「ひ……あ……やぁ……」
恐怖に喉が引き攣り、言葉とも呼気ともつかないものが零れ落ちていく。
そんなエイミィの様子などお構いなしにスライムは彼女の身体を引き寄せ、足の先から本体に飲み込んでいった。
足先だけに感じていた冷たさが、ふくらはぎ、ひざ、ふとももと徐々に上ってくる。
エイミィは何とか前に逃げようと、それまで以上に死に物狂いで床を掻き毟った。
「ひぅ!?」
そんな抵抗も、腰が飲み込まれると無駄な足掻きと思い知らされてしまう。
普通のスライムならばそのまま全身を取り込むところだが、このスライムに関しては別の目的のためにか、上半身は外に残された。
けれど、そんな違いを理解するだけの余裕は、今のエイミィにあるはずがない。
「あ……あぁ……、や、やめ……」
スライムが自らの体内に飲み込んだエイミィの下半身に対して淫猥なマッサージを開始したからだ。
触手群の時のように足の指の間や、膝の裏、そして当然股間にも、スライムはその魔の手を伸ばしてきた。
グニグニと執拗なまでに秘部を捏ねられる。
今まで通り膣への侵入は神の護りによって阻まれていたが、それでも諦めきれないのか執念深く秘部の表面を舐め回された。
「あひぃっ!?」
硬く閉じられた入口から少しだけ上にある突起。
敏感なそこを物理的に守る薄皮の、その内側にまでスライムの組織が忍び込んできた。
「そ、そこは、やめ、あ……やぁっ!」
触手群の時ですら包皮越しだったそこを直接舐め回されることによる悦楽は、他の場所から生まれるものとは比べ物にならないほど大きなものだった。
それに耐えるために、手の平の皮を破りそうなほど爪を食い込ませて震えるエイミィ。
そんな少女の抵抗を嘲笑うように、神の力による護りを施されていない不浄の穴にもスライムの侵攻が開始された。
尻たぶ全体を舐め回されながら、色素の薄い菊門の皺を1本1本伸ばすようにマッサージを施される。
耐えられたのはほんの少しの時間だけだった。
淫核に与えられる刺激が増すにつれ、中を満たされたいというあさましい願望が込み上げてきて身体の奥を疼かせる。
理性では必死に否定し拒絶していても、心のどこかであの肛悦を望んでいる自分がいることに、エイミィは気が付いてしまったのだ。
「ふああ……」
自覚してしまった心の隙間を反映するように入口がわずかに開き、そこから大量のゼリーが雪崩れ込んでくる。
触覚を持たないはずの腸壁にも皮膚の時と同じようにひやりとした冷たさを感じ、腸壁全体を余すところなく舐め上げられる感覚にエイミィは身悶えした。
薄緑のゼリーの中、見る見るうちにエイミィの腹が膨らんでいく。
(そ、そんな……うそ……)
そして散々覚え込まされた肛悦に浸る時間も与えられぬまま、また新たな異変にエイミィは晒された。
股間にあるもう1つの排泄口。
そこにまでスライムが侵入を始めたのだ。
あまりにも狭い、普通なら何かを入れることなどありえないはずの尿道を、本来の用途とは逆の向きにゼリーが滑り抜けていく。
細い管を通り抜け、その先にある膀胱に溜まっていくスライムの感触に、エイミィはそれまでとは異なるパニックに陥っていた。
そんな所に入ってこられるなど、夢にも思っていなかったのだ。
最初は何かの間違いだと思った。
けれど、そこから生まれる感覚は間違いなく、そこに異物が流れ込んできていることを伝えている。
いくら流動性があるとはいえ、尿に比べればはるかに粘度の高いそれから与えられる刺激にエイミィが全身を震わせた。
「あ……くぅ……」
すぐに限界以上の量を流し込まれた膀胱がキリキリと痛み始め、この身体になってからは縁がなくなっていた排泄欲が込み上げてきた。
腸もまた、刻一刻と内側から押し広げられ、そちらからも堪え難い排泄欲が生まれ始める。
それでも、エイミィに残ったわずかな理性が排泄に対する抵抗を感じさせて耐えようとしたが、止めとばかりに身体の奥で細かく振動されると意思よりも先に肉体の方が弱音を上げてしまった。
先に限界を迎えたのは、腸に比べ圧倒的に容量の小さい膀胱だ。
破裂しかねないほどの大量のスライムを詰め込まれた膀胱が収縮し、本来あるべき方向に侵入者の身体を押し流していく。
それは今までに経験したことのない奇妙な感覚だった。
我慢に我慢を重ねた上での擬似放尿に伴う解放感。
それに加えて冷たいゼリーが勢いよく尿道を通り抜けていくことで、すぐそばにある淫核の根元を後ろから擦り上げられたのだ。
表からだけでなく裏からも刺激された淫核から、エイミィの想像を絶する量の媚電流が溢れ出し背筋を貫いていく。
そして、排泄に伴う快楽に味をしめた本能が、本人の意思を無視して腸の方にも指示を送った。
「はああああ……」
腸が大きな蠕動運動を起こし、こちらもまた限界まで詰め込まれていくスライムを押し出していく。
痛みすら覚えはじめていた圧迫感が薄れていく解放感と、おぞましいスライムの身体を2つの排泄口からひりだしていることによる羞恥。
だが、特に入口の部分を擦られる刺激がエイミィの表情を蕩けさせ、だらしなく開いた口から魂が抜けるような鼻にかかった吐息と唾液を溢れ出させた。
スライムの巨体の中で小さなエイミィの身体がビクンビクンと痙攣を繰り返す。
おぞましい魔物の体内で、しかも擬似的とはいえ排泄行為の中で迎える絶頂。
あまりにも受け入れ難いその現実に、少女の心が砕けてしまいそうになる。
それだけのことをしてなお、スライムの行為はまだ終わりを迎える様子がなかった。
(ま、また入って……)
あらかた体内に入っていた分を押し出し脱力すると、またもゼリーの流れの向きが逆転した。
せっかく入ったというのに無理矢理追い出された仕返しとばかりに、スライムは前回以上の勢いで流れ込んでくる。
「いや、……もう、いやぁ……」
そしてまた痛みが生まれるまで体内を拡張され、排泄のために腹に力を込めざるをえない状況に追いやられる。
容赦なく雪崩れ込んでくるスライムに、内側から拡張される被虐的な悦楽。
そしてそれを自分の力で排泄することによって感じる解放感を伴う悦楽。
その2つが何度となく繰り返され、エイミィの理性を外側から削り取っていく。
そしてそれを後押しするように、新たな刺激が加わった。
今まではスライムの外に出されていた上半身まで、じわじわとその体内に飲み込まれ始めたのだ。
胸まで飲み込まれると、今度はその中にまでスライムの組織が潜り込んでくる。
胸の先端、そこに複数の管があるということをエイミィは初めて知った。
レールの上で搾乳された時は、そこが爆発したような激感に襲われていてそんなことに気が付く余裕がなかったのだ。
膀胱の時と同じく、スライムが流れ込んでくることで母乳を分泌できるようにする薬を打たれた後のように乳房が張っていく。
そして限界まで入りこんだところで、それまでは表面を這うようにだけ流動していたスライムの組織に変化が生まれた。
今も排泄と注入を繰り返させられている下腹部の器官と異なり、自分では中身を放出できない乳房をサポートするように四方八方からの圧迫を開始する。
視界の隅に映る、絶えず形を変える小振りな乳房。
胸の奥のしこりを揉み解されることで生まれる乳悦と、そして乳管を液体が通り抜けていく際の悦楽を、エイミィは既に頭の芯にまで記憶させられている。
「あひ、いあああああ!」
獣じみた声を上げながら、またも法悦を極めさせられる。
いつまで経ってもひやりとした冷たさを保持しているスライムとは対照的に、愛撫を受ければ受けるほどエイミィの体内に篭っていく淫熱。
それを排出するために、エイミィの身体は全身から汗を噴き出そうとした。
そしてそこすらも、スライムの標的になる。
導管を通り抜け、皮膚の下までをも犯そうと流れ込んでくるスライムの組織。
首から下、神によって護られた膣を除く、ありとあらゆる穴を犯されたエイミィがあまりの激悦に咽び泣く。
腸も、膀胱も、乳腺も、そして汗腺までもが気持ち良くて仕方なかった。
本来ならば、そのどれもが直接的な性感を生み出すための器官であるとは言い難い。
だが、まずは触手群で後ろの穴を淫核と共に嬲り抜かれ、そこを抉られる感覚を淫核からの快感と結び付けられた。
そして次の通路では、触手群によって強制的に悦楽器官として目覚めさせられた肛門を抉られながら搾乳を受け、新たな悦楽を教え込まれたのだ。
ドミノ倒しのように次々に自分の身体の各部分が、性感を貪るためのはしたない場所へと作り変えられていく。
今やたった1つの汗腺だけでも達することができそうなほど高められた自分の身体が情けなくなるが、その思いすらも肉悦の波にさらわれていった。
「ひ、やぁ! もう、はいってこないでぇ!」
文字通り、全身を性感帯へと作り変えられたエイミィが涙ながらに懇願するが、ピストン運動のように穴という穴に出入りを繰り返すスライムの動きに容赦の色は生まれない。
穴の奥で対流が起こる度に、脳をが溶けそうなほどの快感に貫かれた。
息つく間もないほど連続で押し寄せてくる絶頂。
皮膚の下にまで潜り込まれて、自分とスライムの境界線が徐々に徐々に曖昧になっていく。
「あ、はぁ……やぁ……」
そして、エイミィの喘ぎ声から最後の一欠片の理性が零れ落ちた。

そんな状態がどれくらい続いただろうか。
最初の内は波のように断続的に押し寄せてきていた絶頂が、いつしかそれぞれが溶け合わさったように常に1番高い場所に置きっぱなしにされているような、そんな状態になっていた。
薄く開いた瞼の隙間。
とめどなく流れ落ちる歓喜の涙で滲んだ視界。
薄緑のゼリーの中で、エイミィは自分の手足が溶けるように消えていくのを見た気がした。

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